2015年6月9日火曜日

組織の治癒

運動やスポーツをしていて、捻挫したり筋肉を損傷したり、ケガをすることはよくあることです。

体を動かすのが好きな方や、スポーツ選手は、安静にしていたり、休むことが嫌なので、

「どれくらいでできるようになりますか?」

よく聞かれることです。ほんと皆さん共通しています。

「レギュラーを取られたくない」
「下手になるのが嫌」
「感覚が鈍くなる」
「筋力が落ちる」
「好きな運動が出来ないのが何より嫌」
「動かしたほうが治る」

こういった理由が挙げられます。いかがですか?実際僕自身も、現役の頃は、同じようなことを思っていました。

なにより知っておいてほしいのは、「痛み」というのは、体の悲鳴だということです。「それ以上はやめてくれ!」という体からのサインです。なので、基本的には、競技や運動をやめ、リハビリに専念です。

ここで注意してほしいのは、競技の運動を、リハビリの運動を同じにしないでほしいということです。リハビリで体を動かすのは、筋力の低下を防いだり、硬くなることを防いだり、競技に復帰しやすくするためのものです。
競技をしながらの運動は、同じ場所を痛めやすくしたり、悪化したりするので止めないといけません。

なので、競技しながら治すというのは、将来的なことや、自分の体のことを考えると、いいことはありません。
「再発しやすくなる」
「弱くなる」
「フォームを崩す」
「他の部位を痛める」

選手寿命が短くなったり、パフォーマンスが落ちたりで、いいことは何一つありません。

ケガの多い人や、スポーツ障害がある人は、なぜ痛みがでているかということを理解しないといけません。

「やりすぎ」
「休養や体のケアができていない」
「自分にあった道具を使っていない」
「フォームが悪い」
「自分の能力以上のことをやっている」
「筋力が弱い」
「アクシデントに対応できない」

こういったところでしょうか、もちろん防げないものもあるので、それは仕方ありません。ただ、実際にケガをしたときに、どういう風に復帰するかというのは重要なことです。

痛めた方でも、3日休めば治るみたいに思っている人も多いので、組織の治癒に必要な一般的な
時間を書いておこうと思います。

治癒にかかる時間は3つに分けられます。
・急性期(炎症期)・・・腫れや、熱、痛みなどが表れる時で、受傷後72時間まで持続するといわれています。
・中間期(修復期)・・・瘢痕形成、組織の修復時期です。切れていたものや傷んでいたところが引っ付き、硬くなります。治癒過程を促進する時期です。48~72時間に始まり、6週間ほど持続します。

・治癒期(慢性期)・・・傷んだ組織を壊し、新しい組織を作り修復するリモデリング期とも呼ばれ、傷んだ組織が強くなります。注意したいのは、正常とまったく同じにはならないということです。

〈靭帯〉  急性期2~3日  中間期6週間     治癒期12~50週間 
〈腱〉   急性期2~3日  中間期4~5週間   治癒期12~50週間
〈筋肉〉  急性期2~3日  中間期2~3週間   治癒期12~25週間
〈骨〉   急性期3~4日  中間期3~4週間   治癒期12週間~16週間 
(『テニスパフォーマンスのための医学的実践ガイド』引用)

最終結果として治癒期間が過ぎても、全く正常にはならないようです。正常に近い状態といった具合ですね。

これを見ていかがでしょうか?
意外と時間がかかると思いません?例えば捻挫をして靭帯を痛めたとします。治癒するのに、3か月から~4か月かかります。それだけの間治療に専念できます?

あとは、筋肉と骨とを比べると、骨のほうが治りが早いのにも驚きませんか?意外と筋肉の回復って時間かかるんですよね。

なので、セルフジャッジで始めるのではなく、病院や治療院でしっかり治療しつつ、リハビリをやって、いい状態に戻さないといけません。あとは、一見問題ない状態でも、まだ回復の途中であることも多いので、注意が必要です。

鍼灸のいいところは、こういった回復の手助けになるということです。治癒スピードが促進されるので、競技に復帰が早くなるのではないでしょうか。

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